高齢者向けRSウイルスワクチンについて
- 2024年5月30日
- その他
【RSウイルス感染症とは】
RSウイルスにより引き起こされる呼吸器感染症です。2歳までにほぼ100%が感染し、生涯感染を繰り返します。一般的には軽傷で回復しますが、高齢者、慢性の基礎疾患(喘息、肺気腫、糖尿病、心疾患)、免疫機能が低下している人の場合、RSウイルス感染症の重症化リスクが高いとされています。
基礎疾患がある場合のRSウイルス感染症による入院率比
喘息 2~3.6倍
COPD(肺気腫) 3.2~13.4倍
糖尿病 2.4~11.4倍
うっ血性心不全 4.0~33.2倍
RSウイルス感染症の経過は?
潜伏期間4・5日 発熱、鼻水、咳などの上気道炎の症状で発症
約70%の方 数日間で回復
約30%の方 喘鳴、呼吸困難などの下気道円の症状が現れ、肺炎などに発展することも有る。1)
1)堤裕幸:ウイルス 2005;55(1),77-84
肺炎症例において、RSウイルスぐんとインフルエンザ群では入院期間はRSウイルス感染症で優位に長くなりました
入院日数 RSウイルス感染肺炎 30.0日 インフルエンザ感染肺炎 15.2日
インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス薬はありますが、RSウイルスに対する抗ウイルス薬はまだありません。
高橋洋他:感染症学雑誌2016;90(5),645-651より
RSウイルスワクチン「アレックスビー」の効果
アレックスビーは60歳以上の方が対象のRSウイルス感染症を予防するためのワクチンです。
RSウイルス感染症に対する効果は60歳以上で82.6%
基礎疾患がある60歳以上で94.6%でした。(グラクソスミスクライン資料より)
RSウイルス感染症は、子供から感染することが多く、高齢者や基礎疾患のある方で重症化しやすい感染症であり、
肺炎を発症するとその抗ウイルス薬がないために入院期間が長くなりやすいことが分かりました。
お孫さんと一緒に生活される60歳以上の方、基礎疾患をお持ちの方で、ご希望の方には当院でもRSウイルスワクチンの接種を行っております。お電話にて予約を承っております。
費用 26000円